AIは敵か見方か?シンギュラリティー到達後の世界は将棋の勝敗や職業奪うどころの話じゃなかった

AIが神になる-日シンギュラリティーが人類を救う表紙

AI(人工知能)は近年ホットなキーワードですね。
プロ棋士との対戦や職業を奪われるとか人類の脅威になるなどかなり話題になりました。
身近なところでは車の自動運転・掃除機・Siriなどですが、既存のクラウドやIoTのサービス・技術にAIというワードをくっつけただけの事例も見かけ混乱も多いように思います。
本書「AIが神になる日・シンギュラリティーが人類を救う」ではAIの基本的な考え方から哲学・宗教・政治面からのアプローチを通してAIが進化した世の中と今後人類がどう向き合って行くべきが学ぶ事が出来ます。

なぜ最近AIが話題になったのか?

なぜこの言葉が今盛んに使われるようになったかといえば、「自律的学習技術」と「クラウド技術」の進化によって、この能力が飛躍的に向上しようとしていることが明らかになったからでしょう。

SF映画やデジタルサイエンスの分野では昔から馴染みのあるAI、なぜ最近急に話題になったのかというと、これまのでコンピュータは人間の脳の論理能力のみを複製、拡大してましたが、技術の革新によりひらめきや意志など脳の働きのほとんどを複製、拡大できるようになったからでそのバックヤードに大量のデータを蓄積するクラウドや検索技術があり、ここ最近で急速に人間の脳に近づいちゃったんですね。

また、有名なアイモフのロボット三原則を挙げ「人類」や「危害」に定義に触れています。面白い。

AIがこれからの職業を奪っていく・・はもう始まっている

現在「AIがこれからの職業をどんどん奪っていく」という懸念がささやかれていますが、それ以前に、いたるところに導入されたAIにコントロールされた製造システムは、既に人間の職場を奪っているのです。

具体的にはAIが実装されたロボットですね。製造や検査などそう複雑なものでなければもうとっくの昔に始めっいます。最近懸念がささやかれているのは特にホワイトカラー系、記憶(データ)の蓄積や経験値・論理的思考がものをいう職業はそりゃコンピュータに勝てませんよね・・。

AIはこれからが本領発揮?

これまで、AIやロボットの人間に対する優位性を語るときには、第一には「スピード」。そして第二には「仕事の内容に好き嫌いを言わず、疲れることも飽きることもなく、二十四時間休みなく働き続ける」ことでした。
しかし、ここに第三のポイントが現れます。それは「先入観」「偏見」「身びいき」「同情」「執着」「板ばさみ」「迷い」「保身」「嫉妬」「自己顕示欲」といった、普通の人間が容易には脱却できない「人間的な弱点」から自由であることです。

きたきた・・すごいストロングポイントですね。
合理的・論理的なことがすべてを解決するとは思いませんが、仕事をする会社組織の問題ってその「人間的な弱点」が原因の場合が多いですよね。

さらに「高度」とされる職業に関しても

・医療の知識と情報量が世界中のすべての知識をあわせたものに匹敵し、絶対に見落とししない医師
・世界中の全ての法規と判例をもれなく記憶していて使えるものを秒速で選び出す弁護士

のようにむしろAIの得意分野ではないでしょうか。
AIとどうやって向き合い、共存していくか真剣に考えるフェーズに入っていますね。

シンギュラリティーが定着する時代にどう生きるべきか?

人間とAIの共同作業の時代は終わり、最先端の科学技術の開発と実用の現場からは、人間は静かに姿を消して行くでしょう。政治も、経済運営も、基本的にはAIがすべて行うことになるでしょう。

悪人には手の届かないところに隔離されたAIの判断にすべて従う時代、なんか寂しい気もしますが本書を読むとそれがベストな気がします。現実に今も政治・国際・環境等多くの問題に対して、人間の力で全然うまくいってないですよね。核で自滅する可能性だってあります。AIに人間の作った歴史を否定されてもぐうの音も出ない状態かなと。

人間らしさを大切にする

スポーツが隆盛を極めている理由としては、「記録達成への情熱」や、「闘争心の発露」だけではなく、参加者のそれぞれが持っている「身体を動かすことによって得られる快感」や、「何かを成し遂げたという達成感」がありますが、それらの比重も、それぞれの人間の持つ価値観全体の中でどんどん高まっているように思えます。

僕自身がスポーツ好きという事もあるかもしれませんが、これは既に実感としてありますよね。
マラソンやランニング何かは一過性のブームでは終わりそうにないですし。

さいごに

自分自身の生き方はもちろんですが、子ども達の今後の学びや職業選択についても大いに考えさせられる内容でした。
とはいえ、結局は予測不可能な時代です。自分が想像もしていなかった事が今目の前で起こっている以上にAIの登場で今後はもっとドラスティンクな変化を目の当たりにするでしょう。決して思考停止せず、時代の変化を見据え、著者の言うように「自分自身の価値観を何よりも大切にして生きていけばよい」という言葉を肝に命じたいと思います。